ツイミーグ(イメグリミン)は、ミトコンドリア機能に作用するという新しい機序を持つ経口血糖降下薬です。 従来のSU薬・DPP-4阻害薬・SGLT2阻害薬・メトホルミンとは異なる作用点を持ち、 膵β細胞機能とインスリン抵抗性の両方に穏やかに作用することが特徴です。
■ 作用機序 ― ミトコンドリアを標的とした新規機序
イメグリミンはミトコンドリアの機能を調整することで、
- グルコース依存性インスリン分泌の改善
- 肝臓での糖新生抑制
- インスリン感受性の改善
といった複数の経路に作用します。 単一の強い刺激ではなく、生理的に近い形で血糖を調整する点が特徴です。
■ 腎機能低下例でも使用可能という大きな利点
腎機能が低下すると、使用できる経口血糖降下薬の選択肢は大きく制限され、インスリンを使わざるを得ない状況がありました。
ツイミーグは一定の腎機能低下例でも使用出来ることが最近分かってきたため、 eGFRが低下している患者さんにとって貴重な選択肢となります。
※eGFRに応じた用量調整が必要であり、重度腎不全では慎重投与となります。
■ 高齢者での安全性 ― 乳酸アシドーシスのリスクが低い
メトホルミンは第一選択薬として広く用いられていますが、 高齢者や腎機能低下例では乳酸アシドーシスのリスクが懸念されます。
イメグリミンはメトホルミンとミトコンドリアに作用する薬ですが、異なる機序のため現時点では乳酸アシドーシスの報告は極めて稀とされています。
そのため、
- 高齢でフレイル傾向のある方
- 軽度~中等度の腎機能低下がある方
においても比較的使いやすい薬剤と考えられています。
■ 効果発現はやや緩徐
ツイミーグは即効型の薬剤ではなく、 数カ月かけて徐々にHbA1cが改善してくる傾向があります。
これは急激なインスリン分泌刺激ではなく、 β細胞機能の改善や代謝環境の正常化を通じて効果が現れるためと考えられています。
■ 非肥満2型糖尿病にも有効
日本人に多い「インスリン分泌低下型」の2型糖尿病では、 単純なインスリン抵抗性改善薬のみでは不十分な場合があります。
イメグリミンはインスリン分泌をグルコース依存的に改善するため、 非肥満例でも効果が期待できる点が大きな特徴です。
■ 肥満例にも有効である可能性
近年の臨床報告では、肥満を伴う2型糖尿病患者においても HbA1c改善効果が確認されており、 インスリン抵抗性改善作用の寄与が示唆されています。
つまり、
- 非肥満例(分泌低下型)
- 肥満例(抵抗性主体)
いずれの病態にも作用しうる、比較的バランス型の薬剤と考えられます。
■ 低血糖リスク
グルコース依存性のインスリン分泌改善作用であるため、 単剤使用では低血糖リスクは低いとされています。
ただしSU薬やインスリンとの併用時には注意が必要です。
■ まとめ
ツイミーグは、
- ミトコンドリアを標的とする新規作用機序
- 腎機能低下例でも使用可能な経口薬
- 乳酸アシドーシスリスクが低く高齢者にも使いやすい
- 効果は穏やかで徐々に発現
- 非肥満例にも肥満例にも有効性が期待できる
という特徴を持つ、病態を選びにくい新しい治療選択肢です。
八女市黒木町で診療している当院では患者さん一人ひとりの膵β細胞機能やインスリン抵抗性の程度、 腎機能、年齢、合併症を総合的に評価し、 最適な治療をご提案いたします。
何かあればいつでも相談下さい。
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冨田医院:医師 岡田一樹