こんにちは。八女市黒木町で診療している冨田医院です。
健診で甲状腺の異常を指摘されることは珍しくありません。健康診断で「甲状腺の数値が少し高い」「機能が低下しているかもしれない」と指摘され、不安になって受診される方が多くいらっしゃいます。ただし、すぐに薬による治療が必要になるケースは実は多くなく、経過観察で十分であることが多いです。
甲状腺ホルモンの数値は、体調や一時的な要因で変動することがあります。
また、軽度の異常であれば症状が出ないことも多いため、定期的な血液検査で経過をみるだけで十分な場合がほとんどです。
●不必要な治療がもたらすリスク
残念ながら、他院で「数値が少し低いから」とチラーヂン®(甲状腺ホルモン製剤)を始めてしまうケースも見受けられます。しかし、必要のない方が甲状腺ホルモンを服用すると、副作用や合併症のリスクが出てきます。
・不整脈(心房細動など)
・骨粗しょう症の進行
・動悸や不眠などの症状
薬は「足りない分を補う」ことが目的です。足りているのに追加すると、かえって体に負担をかけてしまいます。
●背景に「橋本病」が隠れていることもあります
甲状腺機能の異常の背景には、橋本病(慢性甲状腺炎)が隠れている場合があります。
橋本病は長期的に甲状腺ホルモンを作る力が弱くなっていく病気で、将来的に治療が必要になることがあります。
そのため、必要に応じて
・甲状腺の抗体を調べる血液検査
・甲状腺エコー(超音波検査)
を行い、背景に病気があるかどうかをしっかり確認しておくことが大切です。
●何より大切なのは「時系列での経過観察」
甲状腺の病気は、急に悪化することは少なく、時間をかけて少しずつ変化していく病気です。極端な
数値の変化でなければ1回の検査結果だけで判断するのではなく、数か月〜年単位での数値の推移や症状の変化と全身の状態を観察しながら治療方針を決めることが重要です。
●まとめ
・健診で甲状腺機能異常を指摘されても、治療不要のケースが多い
・不必要な薬は、不整脈や骨粗しょう症のリスクになる
・背景に橋本病がないかを調べることが重要
・あわてて治療を始めるより、時系列で経過を追うことが大切
●当院での対応について
当院では、甲状腺機能異常を指摘された方に対して、必要に応じた血液検査・甲状腺エコー
適切な経過観察を行い、安心して生活できるようサポートいたします。
健康診断で甲状腺の異常を指摘され、不安を感じている方はお気軽にご相談ください。
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