こんにちは。今回は、当院でもご相談の多い「橋本病(慢性甲状腺炎)」の薬剤管理と、日常生活で気をつけるポイントについてお話しします。
◆ 橋本病とは?
橋本病は、体の免疫が自分の甲状腺を攻撃してしまう病気です。進行すると甲状腺ホルモンが足りなくなり、「疲れやすい」「寒がり」「むくみ」「便秘」などの症状が現れます。
必要に応じて、甲状腺ホルモン製剤(チラーヂンなど)を補う治療を行います。
◆ 薬の量は「TSH値」で調整します
薬の効果をみるために、血液検査でTSH(甲状腺刺激ホルモン)という値で薬剤量を調整します。
TSHが高い → ホルモンが足りない
TSHが低い → 薬が効きすぎている
◆ 年齢や体の状態で「目標のTSH」は変わります!
一律に「この数値が正解」とは言えず、年齢や持病、妊娠希望の有無などにより、調整の基準が異なります。
👩🦰 若い女性(妊娠希望あり)
TSHの目標:2.5 μIU/mL未満
理由:胎児の脳の発達にホルモンが必要であり、TSHが高いとお子さんの知能が下がってしまう可能性があります。
🧑🦱 一般成人(20~60代)
TSHの目標:0.5~2.5 μIU/mL前後
症状の有無や体重によって微調整
👵 高齢者(70歳以上)
TSHの目標:やや高めでもOK(4.0~10.0 μIU/mLでも許容)
理由:高齢者にとって薬が効きすぎると骨粗鬆症や不整脈の原因になるため
◆ 海藻類の摂取には注意!
橋本病では「ヨウ素の摂りすぎ」が症状を悪化させることがあります。特に薬を服用している方は、以下の点にご注意ください。
⚠️ 食べすぎ注意の海藻
昆布(特に昆布だし、昆布茶、佃煮)
とろろ昆布
乾燥わかめ(味噌汁などで大量に)
⭕ 比較的安全な海藻(適量ならOK)
ひじき
生わかめ
もずく
◆大豆製品も大量にとる場合は注意!
ただし、普通の量なら問題ないです。豆乳を毎日500mlなど大量に摂取するのは注意しましょう。
ただ個人的には、現在の食習慣に合わせて薬剤量を調整するのが良いかなと思っているので
あまり敏感になり過ぎなくても良いと思います。一番重要なことは症状がないからといって薬を自己中
断すると粘液水腫性昏睡といって命に関るような恐ろしい病気になる可能性があるので、しっかり
薬を飲むことです。
◆ まとめ
橋本病の治療では、血液検査によるTSHのチェックがとても大切です。
疲れやすさやむくみなど、「年齢のせいかな」と思う症状が、実は甲状腺かもしれません。
当院では、定期的な検査と丁寧な薬剤調整を行っています。ご不安な方は、ぜひお気軽にご相談ください。
※甲状腺機能が上がってしまう病気であるバセドウ病に関しては下記からお願いします。
バセドウ病とはどんな病気??