こんにちは。八女市黒木町で診療している冨田医院です。
今回は、バセドウ病(甲状腺機能亢進症)について、特に初期に気づきやすい症状と、治療の基本方針についてお話しします。
🔍 バセドウ病とは?
バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される自己免疫の病気です。
ホルモンの働きが「身体のエンジン」を強くしすぎてしまい、全身の代謝が異常に高まることで、さまざまな症状が出てきます。
✅ 初期に気づきやすい症状(早期発見のポイント)
以下のような症状が続く場合は、早めの受診をおすすめします。
動悸がする・脈が速い
汗をかきやすい・暑がりになった
体重が減ったのに食欲はある
イライラしやすくなった・落ち着かない
手がふるえる(手指振戦)
疲れやすいのに寝つきが悪い
目が出てきた感じがする(眼球突出)
➡ 「更年期かな?」「自律神経かな?」と見過ごされやすいため、特に20〜40代の女性でこうした症状がある方は注意が必要です。また、御高齢の方は上記のような症状が目立たないこともあり、なんとなく体調が悪いだけという訴えであることもあり、その場合も血液検査をしてみることが重要と言えます。
🩺 診断と治療の基本
当院では、血液検査(甲状腺ホルモン・抗体)や甲状腺のエコー検査で、バセドウ病の診断を行っています。
治療の基本は、抗甲状腺薬(メルカゾール)による内服治療です。
多くの方は、薬によって数週間〜数ヶ月で症状が改善します。
ただ、メルカゾールの中止までは年単位かかることが多いため、定期的な血液検査をしながら、薬の量を調整し、甲状腺ホルモンを適正にコントロールしていきます。
⚠️ 治療中に注意すべきこと
メルカゾールはとても有効な薬ですが、まれに副作用(白血球減少、肝機能障害など)が起きることがあります。
特に白血球が減少することで極端に免疫力が落ちることがあります。その場合は、普段ならなんともない細菌
でも命に関ることがあるため、発熱や喉の痛みが強く出たときは、すぐに受診が必要です!
当院では時間外でも出来る限り対応しますので、メルカゾールを始めた方で、発熱した際は躊躇しなく
て良いのでいつでも連絡を下さい。
🌿 おわりに
バセドウ病は、しっかりと診断・治療を受ければ、日常生活を問題なく送れる病気です。
しかし、初期は「なんとなく調子が悪い」程度の症状で見過ごされがちです。
「ちょっと最近おかしいな」と思ったら、どうぞお気軽にご相談ください。
ご自身の体の変化に、少し敏感になっていただければ幸いです。
※甲状腺機能が低下する病気の記事は下記に書いておりますので御参照下さい。
コレステロールが高いのは甲状腺のせいかもしれません
※バセドウ病の薬の中止時期に関してはこちらから
バセドウ病の薬剤治療はいつまで続けるのか?