「コレステロールが高い」「中性脂肪が多い」と言われて来院される方は多くいらっしゃいます。
しかし、脂質を下げる目的は“数字を良くすること”ではなく、“血管の病気を防ぐこと”にあります。
単に検査値を下げても、動脈硬化や心筋梗塞・脳梗塞のリスクが減らなければ意味がありません。
🔍 まずは原因を見極めることから
脂質異常症には、「一次性(遺伝や体質)」と「二次性(他の病気による)」のものがあります。
特に、次のような病気がある場合は、脂質異常が“結果”として現れていることがあります。
・甲状腺機能低下症
・糖尿病
・ネフローゼ症候群
・肝機能障害、薬剤性(ステロイドなど)
こうした原因があると、どんなに薬を使っても脂質値が安定しません。
そのため、まずは二次性の原因がないかを確認し、あればそちらを優先的に治療することが大切です。
🎯 治療の優先順位と目標
脂質異常症の治療には、どの値をどの順に改善していくかの基本的な順序があります。
1️⃣ LDLコレステロール(悪玉コレステロール)
2️⃣ non-HDLコレステロール(LDL+中性脂肪由来VLDLを含む総悪玉)
3️⃣ 中性脂肪(TG)
4️⃣ HDLコレステロール(善玉コレステロール)
特に LDL-Cとnon-HDL-Cは「問答無用で下げる」ことが推奨されます。
これらは動脈硬化の直接的な原因となるため、
どんな患者さんでも下げるほど血管イベント(心筋梗塞や脳卒中)のリスクが低下することが分かっています。
💊 中性脂肪(TG)はケースバイケース
中性脂肪(TG)は、全員が薬で下げたほうが良いわけではありません。
ただし、
TGが高く
HDL-C(善玉)が低い
という組み合わせの場合、薬による追加的なメリット(動脈硬化予防効果)が得られやすいとされています。
そのため、食事・運動・飲酒制限に加え、必要に応じて薬を検討します。
👥 目標値は人によって異なります
LDL-Cやnon-HDL-Cの目標値は、「その人がどれだけ血管リスクを持っているか」で変わります。
心筋梗塞や大きい血管の脳梗塞を起こした人はLDL-Cを70mg/dL以下に
糖尿病がある人はLDL-Cを120mg/dL以下に
同じ「高コレステロール」と言われても、年齢や持病、家族歴などで目標が変わるのです。
そのため、検査値だけで一喜一憂せず、「自分にとっての適正目標」を主治医と相談することが重要です。
🌿 生活習慣の改善も土台に
薬だけでなく、以下の生活習慣が脂質改善に大きく関わります。
●適度な有酸素運動(週150分が目安)
●食物繊維の多い食事(野菜・海藻・豆類)
●動物性脂肪・加工食品を控える
●飲酒の制限、禁煙
こうした取り組みは、薬以上に長期的な血管保護につながります。
🩺 まとめ
脂質異常症の治療は、単なる「コレステロールを下げる治療」ではなく、
血管を守り、将来の心筋梗塞や脳卒中を防ぐ治療です。八女市黒木町で診療している
当院では、血管の硬さや細さを測定する機器や頸動脈超音波検査で血管リスクを評価しながらより
具体的に目標値を決めておりますのでいつでも御相談下さい。