こんにちは。八女市黒木町で診療している冨田医院です。本日は糖尿病の合併症で一番起こりやすいとさせる神経障害について話をしたいと思います。
糖尿病は血糖値が高い状態が長く続くことで、全身の血管や神経に少しずつダメージを与える病気です。その中でも糖尿病神経障害は、比較的早い段階から現れる合併症のひとつです。
●糖尿病神経障害の特徴
・足先や手先のしびれ・ジンジンする感覚
・感覚が鈍くなる(やけどやケガに気づきにくい)
・夜になると強くなる痛みや灼熱感
・進行すると、感覚がほぼなくなることも
神経障害は最初は自覚症状が軽く、「年のせいかな?」と見過ごされがちですが、早期発見・早期対策がとても大切です。
●早期であれば薬で進行を抑えられることも
糖尿病神経障害のごく初期であれば、
キネダック®(エパルレスタット)という薬が神経の代謝を改善し、進行を抑える可能性があります。
これは神経の細胞内でたまる有害物質(ソルビトール)の生成を抑える働きがあります。
●進行してしまった場合の痛み対策
神経障害が進行し、神経障害性疼痛(しびれや焼けるような痛み)が強い場合は、キネダックが
効かないため、日本の診療ガイドラインで推奨されている以下の薬を使用します。
プレガバリン(リリカ®)
デュロキセチン(サインバルタ®)
ミロガバリン(タリージェ®)
など
これらは「痛みをなくす」というよりも、「痛みを軽くして生活の質を保つ」ことを目的にします。ただ、各々副作用もある薬ですので少量から開始し、副作用が出ず+神経痛が抑えられる適正な量を
調整することが重要です。効かないからといってすぐに中止しないようお願い致します。
●糖尿病神経障害は早期に気づき、適切な治療を始めるほど将来の生活に差が出る合併症です。
また両足や手のしびれの裏に糖尿病が隠れていたなんてこともあるため、そのような症状が出た時は
一度、血液検査をしても良いかもしれません。
下記は糖尿病と腎臓の関係についてまとめたものになります。
糖尿病と腎保護