カリウムは体にとって大切なミネラルですが、血液中のカリウムが増えすぎると 高カリウム血症となり、重症の場合は不整脈を起こすことがあります。
特に糖尿病の方では、高カリウム血症になりやすいことが知られており注意が必要です。
カリウムが多い食品
カリウムは健康に良い栄養素ですが、腎機能が低下している方では摂りすぎに注意が必要です。
- ほうれん草
- トマト
- アボカド
- じゃがいも
- バナナ
これらの食品を多く摂取すると血液中のカリウムが上昇し、 場合によっては不整脈の原因となることがあります。ただ糖尿病の人はカリウムを多く含む食品を取らなくても高カリウム血症になりやすいことが知られています。
糖尿病の方で高カリウム血症になりやすい理由
糖尿病の方では次のような理由で高カリウム血症が起こりやすくなります。
①腎機能低下(糖尿病性腎症)
カリウムは主に腎臓から排泄されます。
糖尿病が長期間続くと糖尿病性腎症が起こり、腎臓の働きが低下します。
腎機能が低下すると
- カリウムの尿中排泄が低下
- 体内にカリウムが蓄積
という状態になり、高カリウム血症が起こりやすくなります。
②インスリン作用低下
インスリンにはカリウムを細胞内に取り込ませる働きがあります。
糖尿病では
- インスリン分泌低下
- インスリン抵抗性
が起こるため、カリウムが細胞内へ移動しにくくなります。
その結果、血液中のカリウムが上昇します。
特にインスリン不足が強い場合(ケトアシドーシスなど)では高カリウム血症が目立つことがあります。
③尿細管アシドーシス(4型RTA)
糖尿病では低レニン性低アルドステロン症が起こることがあります。
これは4型尿細管アシドーシスと呼ばれる状態です。
アルドステロンは腎臓で
- ナトリウムを再吸収
- カリウムを排泄
する働きを持っています。
しかし糖尿病では
- レニン分泌低下
- アルドステロン分泌低下
が起こるため、カリウムの排泄が低下します。
その結果、軽度の代謝性アシドーシスと高カリウム血症が生じます。
④RAS阻害薬(ARB・ACE阻害薬)
糖尿病患者さんでは、腎臓を守る目的で以下の薬がよく使用されます。
- ARB
- ACE阻害薬
- MRA(ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬)
これらの薬はレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAS)に作用します。
アルドステロンの作用が抑えられるため
- カリウム排泄が低下
- 血清カリウム上昇
が起こることがあります。
定期的な血液検査が大切です
糖尿病の方では、腎機能やカリウム値を定期的に確認することで 高カリウム血症を早期に発見することができます。糖尿病や腎機能の管理をご希望の方は 冨田医院までお気軽にご相談ください。
冨田医院:医師 岡田一樹