睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)は、
「いびき」や「日中の眠気」だけの病気と思われがちですが、
実は 生活習慣病の発症・悪化と密接に関係する重要な疾患 です。
当院でも多くの患者さんを診ていますが、
自覚症状が少ないのに重症化している例 も決して珍しくありません。
SASが生活習慣病を引き起こすメカニズム
睡眠時に呼吸が止まると、体は何度も酸素不足(低酸素)に陥ります。
この “低酸素 → 交感神経の過剰な興奮” が、全身に悪影響を与えます。
◎ 1. 高血圧の大きな原因になる
-
呼吸が止まるたびに「血圧上昇ホルモン」が分泌
-
交感神経が活性化して常に血管が収縮
-
朝の血圧が特に高くなる典型例が多い
SASを放置すると、高血圧治療をしても改善しにくくなることがあります。
◎ 2. 心筋梗塞・脳梗塞のリスクが上がる
低酸素と血圧変動によって血管の負担が増加。
・動脈硬化の進行
・心房細動の誘発
・心筋への負担
などから、心筋梗塞・脳卒中の発症リスクが上昇 します。
◎ 3. 糖尿病・脂質異常症とも関係
-
交感神経刺激 → インスリン抵抗性が悪化
-
睡眠不足 → 食欲増加ホルモン(グレリン)上昇
結果として、
糖尿病が治りにくくなったり、脂質異常症が悪化 するケースもあります。
SASが疑われるのはどんな人?
以下のような特徴がある方は、症状がなくても要注意です。
◎ 自覚症状があるケース
-
大きないびきをかく
-
夜中に何度も目が覚める
-
起床時の頭痛
-
日中の眠気・集中力低下
-
熟睡感がない
◎ 症状がなくても“隠れSAS”の可能性が高い人
-
肥満体型(BMI高め)
-
顎が小さい(下顎が後退している)
-
首が太い
-
家族から「呼吸が止まっている」と言われたことがある
顎が小さい方は、痩せていても気道が狭くなりやすく、
自覚症状のない重症SASが見つかることがあります。
SASの治療
◎ CPAP(シーパップ)療法が中心
鼻マスクで空気を送り、気道が閉じるのを防ぐ治療です。
-
高血圧の改善
-
日中の眠気改善
-
心血管イベントの減少
など、多くの研究で効果が確認されています。
当院でできること
◎ 1. 簡易SAS検査(ご自宅で可能)
寝ている間の呼吸状態を測定し、
無呼吸の程度を評価します。
◎ 2. 明らかに症状のある方は、当院で治療開始(CPAP導入)
必要に応じて生活改善のアドバイスも行います。
◎ 3. 数値が微妙な方・より精密な検査が必要な方
入院で精密検査(PSG)が可能な連携病院へ紹介いたします。
まとめ
睡眠時無呼吸症候群は、
「睡眠の問題」ではなく「全身の病気の引き金になる疾患」 です。
高血圧、糖尿病、脳梗塞や心筋梗塞など生活習慣病との関連は非常に強く、
早期発見・早期治療が重要です。
気になる症状がある方へ
「いびきが気になる」「眠りが浅い気がする」
「肥満気味」「顎が小さい」
こういった方は、ぜひ一度ご相談ください。
八女市黒木町で診療している当院ではいつでも相談に対応します。
お気軽にお問い合わせください。