糖尿病、高血圧、脂質異常症、高尿酸血症……。これらの病気の陰には多くの場合「肥満」が隠れています。中には、肥満を解消するだけで薬が不要になる方も実際にいらっしゃいます。
しかし、これまでの肥満治療は、医師が「食事と運動に気をつけましょう」と言うだけのものでした。しかし、その一言で痩せられるなら、肥満で悩む人はこの世に存在しません。肥満外来を専門に行っている病院でも一般的には医師による指導に加え、管理栄養士や理学療法士が食事・運動のアドバイスを行う体制は整っています。しかし、三者が十分に連携を取って治療を提供出来ている病院はなかなか無いのが現状です。本来は、『この患者さんでは今は食事を中心に取り組むべきだ。』、『少し食事量を増やしながら運動量を上げていこう』などを話し合いながら患者さん一人ひとりの生活背景に深く入り込み、十分に個別化された医療を提供し続けることが最も重要ではあると思われますが、物理的に困難なのが今の医療現場の現実です。
糖尿病を含めた生活習慣病を専門とする私も例外ではなく、これまでは患者さんが本当に減量できるような「効果的な働きかけ」が十分にできていなかったのが実情です。
そこで当院では、根性論や薬に頼り切るダイエットではなく、当院に在籍する臨床心理士の専門的知見を借りながら、「考え方のクセ(認知)」と「無意識の行動」を科学的に分析し、生活習慣を無理なく変えていく「認知行動療法(CBT)」と、患者さんが内面から変わっていけるようサポートする「クライエント中心療法」を軸とした治療を医師が全面的に提供する減量外来を開始しました。
日常に外来を組み込めるよう利便性の追求
肥満治療の最大の敵は、病院に行けない間に訪れる「つい食べてしまう瞬間」や「通院そのものの負担」です。当院では、患者さんの負担にならず治療を出来るようサポート体制を整えています。
「日常」を途切れさせないデジタルサポート
外来診療でのアドバイスも、日常生活に戻れば忘れてしまいがちです。当院ではLINE等のデジタルツールを活用し、診察室以外の時間もシームレスにサポート。日々の悩みや「つまずき」をその場で共有し、次回の診察を待たずに軌道修正できる体制を構築しています。
忙しい方でも継続できる仕組み
「通院のための時間が取れない」という方のために、オンライン診療を積極的に導入しています。さらに、夜間や休日(土日)の診療にも対応し、仕事や家事で忙しい方のライフスタイルを尊重した治療プランをご提案します。
「維持」こそが最難関
実は、一時的な減量は比較的簡単ですが、その後に何年も体重を維持し続けることは非常に困難であることが分かっています。当院では、認知行動療法とクライアント中心療法を駆使して、患者様と二人三脚で「リバウンドしない考え方と習慣」を作り上げます。
「卒業」を見据えた薬剤使用
マンジャロ等の薬剤は、あくまで減量期をスムーズに進めるための「サポート」です。減量薬の長期使用によるリスクが不明な点や、高い薬剤を一生使い続ける経済的負担を考え、最終的には「薬を中止しても体重を維持できる習慣」の獲得を目指します。副作用(胆石症等)にも細心の注意を払いつつ、適切なタイミングでの離脱を計画します。
医療のゴールは「自立」。リバウンドを防ぐ4つの治療ステップ
一時的に体重を落とすだけのダイエットは、医療とは呼びません。最終的にご自身の力で健康を維持(自走)できるまでのプロセスを4つの時期に分けて管理します。
- 導入期:太りやすい考え方のクセに気づき、基本的な習慣を整える
- 減量期:身につけた習慣を確実に実行し、着実に体重を落とす
- 維持期:落とした体重を維持する習慣を定着させる(ここが本当の正念場です)
- 自立期:外来管理から自己管理へ移行し、当院の外来を「卒業」する
外来診療だけでなく、オンライン診療やLINE等のデジタルツールを駆使し、診察室以外の「日常」も途切れなくサポートします。当院は八女市黒木町で診療しているおりますので、いつでも御相談下さい。当院の肥満外来は、初診のみ「完全予約制」となります。
冨田医院:医師 岡田一樹