高血圧は日本人の非常に多い病気ですが、すべての高血圧が同じではありません。
ほとんどは「本態性高血圧」といって遺伝や生活習慣が原因ですが、約 10% は、別の病気が原因で血圧が上がっている“二次性高血圧”です。
この二次性高血圧は、原因となる病気を治療すれば血圧が大きく改善したり、薬が減ったりする可能性が高いため、見逃さないことがとても重要です。
■ 二次性高血圧を疑うべき人
以下のような方は要注意です。
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若くして高血圧を発症した(40歳未満)
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家族に高血圧の人がいないのに自分だけ高血圧
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薬を2〜3種類以上飲んでいるのに血圧が下がりにくい
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血圧の変動が大きい、急に血圧が上がる
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むくみ・低カリウム血症・動悸・睡眠の不調など異常がある
こうしたケースでは、背景に別の疾患が隠れている可能性があります。
■ 代表的な二次性高血圧の病気
① 原発性アルドステロン症(PA)
副腎から分泌される「アルドステロン」というホルモンが必要以上に出る病気です。
アルドステロンは
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血圧を上げる
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心臓・血管・腎臓に直接ダメージを与える
という性質を持つため、早く見つけて治療することが大切です。
治療には
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薬でホルモンの作用を抑える
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原因となる副腎腫瘍があれば手術
があります。
治療後は血圧が改善し、心血管イベントのリスクを下げられます。
② 睡眠時無呼吸症候群(SAS)
睡眠中に呼吸が止まることで、
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体内の酸素が低下
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交感神経が過剰に働く
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ストレスホルモンが放出される
これらにより 血圧が慢性的に高くなる だけでなく、
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心筋梗塞
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脳卒中
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不整脈
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糖代謝異常
など、身体全体にダメージを与える病気です。
CPAP治療や減量により、血圧が下がるだけでなく全身のリスクも改善します。
③ 甲状腺機能亢進症・低下症
甲状腺ホルモンは全身の代謝に大きく関わります。
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亢進症:心拍数↑、代謝↑ → 血圧上昇
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低下症:脈が遅くなる、血管が硬くなる → 血圧上昇
いずれも、治療すると血圧は改善傾向になります。
④ 腎実質性高血圧
慢性腎臓病(CKD)など、腎臓自体が悪くなることで起こる高血圧です。
腎臓は血圧を調整する臓器であるため、腎機能の低下が血圧上昇に直結します。
尿蛋白や尿潜血がある人は特に注意が必要です。
⑤ 薬剤性高血圧
知らないうちに血圧を上げてしまう薬があります。
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NSAIDs(痛み止め)
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漢方の「甘草(グリチルリチン)」
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ステロイド
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ピル・ホルモン剤
原因薬剤を減らすだけで血圧が改善することもあります。
■ 二次性高血圧は「原因を治すこと」が最大の治療
本態性高血圧と違い、二次性高血圧は
原因を解決すると、血圧も体調も大幅に改善する可能性があります。
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薬が減る
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将来の心筋梗塞・脳卒中のリスクが下がる
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疲れやすさ、むくみ、睡眠の質なども改善する
など、大きなメリットがあります。
「なんとなく、高血圧の薬を飲み続けている…」
という方は、一度しっかり原因を見直すことが大切です。
八女市黒木町で診療している当院では原因を意識した高血圧診療を
しておりますので何かお困りのことがあれば相談下さい。