頭痛はとても身近な症状ですが、そのタイプによって原因や治療法は大きく異なります。特に代表的なのが「片頭痛」と「緊張型頭痛」でどちらも有病率の高い病気です。正しく鑑別することが、適切な治療への第一歩になります。
■ 片頭痛とは?
片頭痛は、頭の片側(両側のこともあります)にズキズキと脈打つような痛みが出る頭痛です。
- ズキズキする拍動性の痛み
- 中等度〜強い痛み
- 動くと悪化する
- 吐き気や嘔吐を伴うことがある
- 光や音がつらい
数時間から長いと3日ほど続くことがあります。日常生活に支障をきたすことが多いのが特徴です。
■ 緊張型頭痛とは?
緊張型頭痛は、頭全体が締め付けられるような、重たい感じの痛みが特徴です。
- 両側性のことが多い
- 締め付けられるような痛み
- 軽度〜中等度
- 日常動作で悪化しにくい
- 吐き気は通常伴わない
肩こりや首のこり、ストレスなどが関与していることが多いと考えられています。
■ なぜ鑑別が重要なのか?
片頭痛と緊張型頭痛では、治療法が異なります。
片頭痛には、トリプタン製剤などの片頭痛専用薬が有効です。一方、緊張型頭痛では、生活習慣の見直しや筋緊張の改善が重要となります。
そのため、「どのタイプの頭痛か」を見極めることがとても重要です。
■ 両方を合併している方もいます
実は、片頭痛と緊張型頭痛の両方を持っている方も少なくありません。
この場合、本来は片頭痛の時だけ使用すべきトリプタンやNSAIDs(鎮痛薬)を、すべての頭痛時に服用してしまうことがあります。特に片頭痛の痛みが強い人は緊張型頭痛による軽度の痛みでも心配から鎮痛薬を内服してしまいます。
その結果、薬の使用回数が増え、 薬物乱用頭痛(薬剤の使いすぎによる頭痛) を引き起こしてしまう可能性があります。月の半分の日以上に頭痛薬を内服している場合は薬物乱用頭痛の危険性があります。
■ 頭痛日記の重要性
治療を適切に進めるために重要なのが「頭痛日記」です。
- いつ頭痛が起こったか
- どんな痛みだったか
- 吐き気や光過敏の有無
- 薬を飲んだかどうか
これを記録することで、
- 片頭痛なのか
- 緊張型頭痛なのか
- 薬の使用頻度は適切か
を客観的に把握できます。
■ 段階的な治療が大切です
頭痛のタイプを見極めたうえで、
- 急性期治療薬の適正使用
- 予防薬の導入(片頭痛予防薬など)
- 生活習慣の改善
を段階的に行うことが重要です。
特に、月に何度も頭痛が起こる方は、予防治療を検討することで、頭痛回数を減らし、薬の使用回数も減らせる可能性があります。
■ まとめ
- 片頭痛と緊張型頭痛は特徴が異なる
- 治療法が違うため鑑別が重要
- 両方を合併している方もいる
- 薬の使いすぎは薬物乱用頭痛の原因になる
- 頭痛日記と予防治療が重要
頭痛が続いている方、薬の回数が増えている方は、一度ご相談ください。適切な診断と段階的な治療で、生活の質を改善できる可能性があります。
冨田医院:医師 岡田一樹