糖尿病治療では、これまでHbA1cという数値が重要視されてきました。
しかし近年、HbA1cだけでは分からない血糖管理の問題が注目されています。
その理由は、血糖は1日中、大きく変動しているからです。
フリースタイルリブレ(Libre)とは?
フリースタイルリブレは、腕に装着したセンサーで
皮下間質液中のグルコース値を連続的に測定する機器です。
1日に何十回も血糖を確認でき、
血糖の「上がり方」「下がり方」「安定性」を可視化できます。
- 指先穿刺は原則不要
- スマートフォンで簡単に確認
- 24時間の血糖変動を把握できる
HbA1cが同じでも、血糖の「中身」は違います
同じHbA1cでも、
- 食後に急上昇し、その後大きく下がる血糖
- 1日を通して比較的安定している血糖
これらは体への負担や合併症リスクが異なります。
リブレでは、こうした血糖変動を
グラフとして視覚的に確認できます。
少し専門的な話:リブレで何が評価できるのか
リブレを使用すると、次のような指標が分かります。
- TIR(Time in Range)
血糖が目標範囲(70~180mg/dL)にある時間の割合 - 血糖変動(GV)
血糖のブレの大きさ(上下動の激しさ) - 低血糖の有無・時間帯
特に夜間や早朝の気づきにくい低血糖
現在の糖尿病治療では、
HbA1cだけでなく、TIRを改善することが重要とされています。
リブレが特に役立つ方
- インスリン治療を行っている方
- 低血糖が心配で、治療調整に不安がある方
- 血糖の乱高下が気になる方
- 自分の血糖を理解しながら治療したい方
保険適用についての大切なお知らせ
フリースタイルリブレは、
現在、原則として「インスリン治療を行っている方」が保険適用の対象となります。
インスリンを使用していない方の場合は、保険適用外となり、
自費での使用となる点をご理解ください。
ただし、リブレの使用が医学的に有用かどうかは、
治療内容や血糖の状況によって異なります。
当院でのリブレの考え方
八女市黒木町で診療している当院では、
- リブレを「付けること」が目的ではありません
- 血糖の動きを一緒に確認し
- 治療や生活にどう生かすかを重視します
血糖データを「意味のある治療」に結びつける
それが当院のスタンスです。
リブレは「治療を理解するための道具」です
リブレは魔法の医療機器ではありません。
しかし、
自分の血糖を知ることで、
治療への納得感と主体性は大きく変わります。
「今の治療が合っているのか知りたい」
「血糖を数字ではなく流れで理解したい」
そう思われた方は、診察時にお気軽にご相談ください。