1~2歳のよちよち歩きの時期に、急に歩けなくなる、片足を引きずる、痛がるといった症状がみられる場合、骨折が隠れている可能性があります。
代表例として、脛(すね)の骨の小さなヒビである Toddler’s fracture(トドラー骨折) が挙げられます。
どんなときに起こる?
- 少し転んだ、ひねった
- ソファから軽く落ちた
- ぶつけた記憶がない場合でも発生することあり
外見は正常に見えても、わずかな力で起こりうる骨折です。
症状と特徴
- 立てない・歩けない、泣いて歩こうとしない
- 歩き方がおかしい(片足をかばう、びっこをひく)
- 押すと痛がる場所がある(特に脛の下の方)
- 腫れや変形が目立たない、見た目がほぼ正常
- レントゲンで写らないことがある
Toddler’s fractureは、初回レントゲンで20〜40%が正常に見える とされています。
「レントゲンが正常だから大丈夫」とは限りません。
乳幼児は痛い場所をうまく伝えられないため、触診や歩行の観察が診断の中心となり、実際には診断がとても難しい病気です。
🩺 重要な鑑別疾患
| 疾患名 | 特徴 |
|---|---|
| 股関節炎(感染後一過性滑膜炎) | 風邪の後に多い/股関節の開排で痛がる/数日で改善 |
| 化膿性関節炎(緊急) | 高熱、強い痛み、関節を動かせない、全身状態不良 |
| 骨髄炎(緊急) | 発熱、局所の激しい痛み、進行性の症状 |
特に 発熱を伴う場合は緊急性が高く、早期の診断と治療が重要です。
当院の対応について
初回診察で以下の場合には、より精密な検査や固定の判断のために整形外科へ紹介します。
- 症状がはっきりしない
- レントゲンが正常でも痛みが強い
- 鑑別疾患が除外できない
治療と経過
Toddler’s fractureはほとんどの場合、ギプスまたはシーネ固定で2〜3週間で自然に治癒します。
まとめ
- よちよち歩きで急に歩けなくなったら、骨折の可能性を必ず考える
- レントゲンが正常でも骨折を完全に否定できない
- 股関節炎・化膿性関節炎・骨髄炎も重要な鑑別
- 診断が難しいため、整形外科に紹介することがあります
気になる症状があれば、早めに受診してください。