糖尿病治療の指標である HbA1cはどの程度に抑えるべきなのか?
一般的には7%未満にしましょうと言われることが多いと思います。
ただしこれは 全員に当てはまる“絶対の数字”ではありません。
年齢や治療内容、体の状態によって目標値は変わります。
年齢・健康状態による目標値の違い(日本糖尿病学会)

日本糖尿病学会では上記のように患者さんの状態や行っている治療によって目指すべき
HbA1cは変わってきます。
なぜ「一律7%以下」は危険なのか?
⚠️ HbA1cを低くしすぎるデメリット
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低血糖のリスク
インスリンや一部の飲み薬では、強いコントロールで重い低血糖が起きやすくなります。 -
死亡率が上がる可能性
海外の大規模試験(ACCORD試験)では、HbA1cを極端に下げた群で 予想外に死亡率が上昇 しました。 -
高齢者への負担増大
厳しい食事制限や薬の増量が、かえって 生活の質(QOL)の低下 につながることもあります。
まとめ:HbA1cの目標は「人によって違う」
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HbA1c 7%未満は「一般的な目安」にすぎない
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年齢・体の状態・生活環境に合わせて調整することが大切
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特に高齢者では「低すぎるHbA1c」が逆に危険な場合も(認知症のリスクもあり)
👉 つまり大切なのは「数字を機械的に追うこと」ではなく、その人にとって安全で無理のない血糖コントロール です。糖尿病の治療の最終目標は血糖を下げることではなく、糖尿病があっても出来るだけ不自由が起こらないようにすることです。
八女市でも糖尿病を専門とする医師がHbA1cが高めでも様子を見ましょうと説明することがあると思いますが、低血糖のリスクを考慮した上で判断していると思われます。
低血糖の危険性に関しては下記の記事に書いております。
糖尿病治療で怖い「無自覚性低血糖」とは?