こんにちは。八女市黒木町で診療している冨田医院です。
糖尿病の方にとって、発熱・下痢・食欲不振などの体調不良(=シックデイ)は、血糖コントロールにとって大きな試練です。体がストレスを受けると、インスリンの効きが悪くなり血糖が上がりやすくなります。逆に食事や水分が取れないと低血糖や脱水の危険や、内服している薬剤によっては体が極端にアシドーシスに傾くような怖い病気になることもあります。
このように糖尿病患者さんは体調が悪い時には、普段とは異なる対応が求められるのです。
シックデイのときに注意すべきこと
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こまめな血糖測定(インスリンを使用している場合)
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いつもより頻繁に(4〜6時間おきが目安)。
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水分補給
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水・お茶・経口補水液を少しずつ。
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甘い飲み物は低血糖時のみ。
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食事が取れないとき
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おかゆ・ゼリー飲料・スープなど消化の良いものを。
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糖尿病薬の中には、シックデイ時に減量・中止した方がよい薬と、続けるべき薬があります。
代表的な例としては…
薬の種類 | 一般名の例 | シックデイ時の注意 |
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SGLT2阻害薬 | ジャディアンス、フォシーガ など | 脱水やケトアシドーシスの危険があるため、体調不良時は中止 |
ビグアナイド薬 | メトホルミン | 脱水や腎機能悪化で乳酸アシドーシスの危険があるため、食事・水分が取れない時は中止 |
超即効型インスリン | ヒューマログ、ノボラピッド など | 食事が全く取れないときは中止(低血糖防止のため) |
基礎型インスリン | ランタス、トレシーバ など | 原則継続(中止すると血糖が大きく上昇) |
SU薬 | アマリール、グリミクロン など | 食事が取れないときは中止(低血糖防止) |
※これらは一例です。実際の判断は、体調や血糖値、腎機能、普段の内服量などによって変わります。
こんなときはすぐに相談を!
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38℃以上の発熱が続く
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吐き気や下痢でほとんど飲食できない
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血糖が高く、尿や血液でケトン体が陽性
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意識がもうろうとする、息苦しい など
当院では時間外・休日でもご相談いただけます
シックデイ時の薬の判断は、どの薬を続け、どの薬を止めるかが非常に重要です。
これは薬の種類や体調、食事・水分摂取量によって大きく異なるため、自己判断での薬剤継続の可否
は非常に難しいのが現実です。
当院では、時間外や休日でも、必要に応じて電話で詳しく状況をお伺いし、その時点で最も安全な指示をお伝えしますし、状況によっては来院していただき必要な検査を行う場合もありますので御了承下さい。
下記に糖尿病の治療についての記事を書いております。併せて参照下さい。
八女で糖尿病治療をご検討の方へ – GLP-1製剤の新しい可能性