腎臓は、私たちの体を健康に保つために欠かせない臓器です。
血液をろ過して老廃物を出すだけでなく、血圧調整、貧血改善、骨の健康維持など、多くの重要な働きを担っています。
腎臓は一度悪くなると元に戻りにくい臓器です
腎臓には「ネフロン」というろ過装置が約100万個ずつあります。
このネフロンは一度壊れてしまうと基本的には再生しません。
そのため、ある程度のネフロンが壊れると、残ったネフロンが“頑張りすぎる(過負荷になる)”状態になります。
これが続くと、残っていたネフロンも徐々に壊れ、腎機能はさらに悪化してしまいます。
つまり 腎臓は早めに守ることが何より重要 なのです。
慢性腎臓病(CKD)の主な原因
CKDの原因はいくつかありますが、特に多いのは次の3つです。
① 糖尿病
もっとも多い原因です。
血糖が高い状態が続くことで、腎臓の小さな血管が徐々にダメージを受けます。
② 高血圧(腎硬化症)
高い血圧は腎臓の血管を傷つけ、腎機能をじわじわと低下させます。
③ 腎炎(尿潜血・蛋白尿が強い場合)
尿潜血や蛋白尿が強く出る場合は、
腎臓そのものが炎症を起こしている可能性があり、腎臓内科での専門的な治療が必要 です。
④ 薬剤性(特にNSAIDs)
市販の痛み止め(ロキソニンなどのNSAIDs)を長期間使うことで腎障害が進むことがあります。
慢性的に痛み止めを使っている方は特に注意が必要です。
腎臓病では腎臓だけでなく、血管を守ることも重要です
腎臓が悪い方が亡くなる原因として実は多いのが、
心筋梗塞・脳梗塞などの心血管疾患(血管の病気)です。
腎臓が悪くなると、血管にも強い負担がかかり、動脈硬化が進みやすくなります。
そのため腎臓病の治療では、
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腎機能を守る
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心血管イベントを減らす
という 総合的な医療 が重要になります。
尿検査は最も重要な“腎臓のバロメーター”です
特に重要なのが 尿蛋白(タンパク尿) です。
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尿蛋白がある → 腎臓が現在進行形でダメージを受けているサイン
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尿蛋白がある人は心血管病のリスクも高い
尿蛋白を減らすことは、
腎臓を守るだけでなく、血管病を防ぐことにもつながります。
腎臓と血管を守るための薬物治療
現在の標準治療では、次の3つが腎保護に非常に有効とされています。
① RAS阻害薬(ARB/ACE阻害薬)
尿蛋白を減らし、腎臓の負担を軽減します。
長年、腎臓病の第一選択薬として使われています。
② SGLT2阻害薬
糖尿病の薬として開発されましたが、
糖尿病がなくても腎臓保護・心血管保護の効果がある ことが証明されています。
③ MR拮抗薬(エサキセレノンなど)
新しいタイプの薬で、尿蛋白をさらに減らす効果があります。
特にRAS阻害薬で不十分な方に有効です。
食事療法:特に“減塩”がとても大事
腎臓病治療の基本は 減塩 です。
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塩分を減らすと血圧が下がる
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腎臓の負担が大きく減る
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使う薬が効きやすくなる
日本人の食事は塩分が多く、意識しないと過剰摂取になりがちです。
目標は1日6g未満 です。
まとめ
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腎臓は一度悪くなると元に戻りにくいため、早期発見・早期治療が重要
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主な原因は糖尿病・高血圧・腎炎・NSAIDs
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腎臓病は血管の病気のリスクも上がるため総合的な治療が必要
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尿蛋白は重要なサインで、尿検査が最も簡単で有力なスクリーニング
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RAS阻害薬、SGLT2阻害薬、MR拮抗薬で腎臓・血管を守る
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減塩はすべての人に共通して重要
八女市黒木町で診療している当院では、腎臓保護を常に意識した診療を行っております。腎臓が悪くなることは
全身に影響を与えることを意味しますので、何かお困りのことがあれば相談下さい。